難聴
症状、原因、治療法
聞こえの健康は人々のウェルビーイングの維持に不可欠です。国際保健機関 (WHO)* によると、世界人口の5%以上、つまり約4億6600万人の方々が聴覚障害を患っており、その内3400万人は子供です。また、統計によると、難聴者が助けを求めるサインを出すまで平均的に10年掛かるということが判っています。
- 難聴に苦しむ人は世界人口の約5% (4億6600万人)
- 2050年までに難聴に苦しむ人は世界で10人に1人(約9億人)に達すると試算されている
- 60歳以上では約3人に1人が難聴
- 世界で11億人の若者が、娯楽環境によって聴覚障害が引き起こされる危険性が高いと試算されている
- 子供の難聴の60%は未然防止可能な原因に由来している
- 乳児の1000人に1人が難聴
- 世界保健機関 (WHO)によると、慢性的な耳の感染症が難聴の主な原因となっている
- 研究によると、難聴者のうち約65%が軽度難聴、30%が中等度難聴、5%が高度/重度難聴を患っている
- 難聴者の大部分は学生または社会人の年代
- 研究によると、難聴者の5人に1人しか補聴器を活用していない
- 平均的に、難聴者が聞こえの課題に取り組み始めるまでに10年程掛かっている
難聴とは、単純に小さな音が聞きとりにくい状態だけを指すわけではありません。聞こえに課題を持つ方は、会話や様々な音がくぐもって聞こえ、特に騒々しい環境下では個々の単語や子音を聞き取ることが難しく感じます。難聴を見分ける分かりやすい例として、難聴者がテレビやラジオの音量をかなり大きなレベルまで上げる光景が挙げられます。さらに、会話の最中に相手にもっとゆっくり、はっきり話すことや、繰り返し言うことを頼むこともあるかもしれません。行動の変化としては、イベントや課外活動に参加することに後ろ向きになることや、会話に参加しなくなることも難聴のサインとして考えられます。
より詳しい情報は、難聴の兆候をご覧ください。難聴がどのような状態であるかより理解を深めたい場合は、難聴シミュレーションをお聴きください。
難聴の種類は、原因が耳のどの部分(内耳、中耳、外耳)で発生するかと、その重症度によって決まります。
難聴には、3つの種類があります:
- 伝音難聴
音を伝える「外耳」や「中耳」の障害です。一時的に起こることが多く、薬や手術で治療できるケースが多いです。このタイプの難聴は特に、水分や耳垢、または耳の感染症によって引き起こされることがあります。 - 感音難聴
「内耳」もしくは「内耳」以降の、神経回路の音を感じる部分の障害です。このタイプの難聴は、一般的に永久的に続きます。原因として年齢や騒音、遺伝が多く挙げられます。 - 混合性難聴
伝音難聴と感音難聴、両方の原因によって起こる難聴です。
さらに、難聴は聴覚の程度によって軽度難聴、中等度難聴、高度難聴、重度難聴に分類されます。また、難聴が両耳に起きているのか、出生時から症状が出ているのかどうかという面からも判断されます。
治療は、聴覚の程度分類と難聴の原因により幅広く異なります。伝音難聴は、多くのケースで投薬や手術により改善できます。一方で感音難聴の場合は補聴器の装用、難聴の程度が深刻な場合は人工内耳によるサポートが必要となります。
もしあなた自身、もしくは家族や友人が難聴を感じている場合は、ぜひ次に挙げる専門家に相談してください。聴覚テストにより聴覚の程度が判り、専門家が一人ひとりに最適な解決策を提案してくれることでしょう。
耳鼻咽喉科医
耳、鼻、のど分野を専門とする医師。耳科医、神経耳科医とも呼ばれます。
補聴器専門家
補聴器専門家は、補聴器のフィッティング訓練を受けています。診断は行いませんが、補聴器の機能を熟知しています。
言語聴覚士
高度な訓練を受けた医療専門家であり、聴覚評価と聴覚ヘルスケアのソリューション提案を行う専門家として認定されています。