補聴器のある生活
これまで難聴を抱えながら生活してきた人は、補聴器を初めて装用すると、その新しい体験のすべてに驚かれるかもしれません。しかし、いくつかの役立つテクニックを駆使すれば、その体験を最大限に活かすことができます。
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期待の管理
初めて補聴器を手に入れた人は、すぐに大きな成果が出ると期待し過ぎる傾向があります。調整期間が存在するということを理解し、辛抱強くあることが大切です。補聴器は聞こえを回復させるものではなく、生活に戻ることができるよう、音がより理解しやすくなるように支援するものです。
補聴器に慣れる
初めて補聴器を装用し始めたときには、一部の音が大きく聞こえ過ぎて少し圧倒されることもあります。徐々に順応して補聴器での健康的な習慣を確立していくにつれ、どの音に注意を集中させるべきで、どの音は意識から退けるべきかを脳が再学習します。
前向きに辛抱強く
補聴器が聞こえに与える影響には直ちに気づけますが、完全に適応するには通常は数か月かかかります。時には疲れたと感じることもあるでしょうが、辛抱強く前向きな姿勢が、聞くこととよりよく理解することの目標を達成するうえで重要な鍵となります。
音量を調節する
補聴器は、電源を入れると自動的に適切な音量に調節されます。補聴器のモデルと聴覚専門家が行った補聴器の設定によっては、音量を自分で調節できる場合もあります。その場合、補聴器のボタンまたはマイフォナック アプリで音量を調整できますが、音量を大きくし過ぎると音が不明瞭になる場合があるのでご注意ください。
会話に積極的に参加する
会話についていくのが難しいのはよくあることであり、大勢の人が同時に話している場面ではなおさらです。このような状況では、聞きたい相手の近くに移動して、その人の話に集中しましょう。辛抱強く続ければ、時間の経過とともに自信がついてきて、快適に過ごせるようになります。ロジャー マイクロホンのような聞こえのソリューションも、背景雑音を減らしたり、話者の声を補聴器に直接届けたりするのに役立ちます。
公共の場で一番前に座る
劇場や礼拝堂、会議室のような場所は、難聴の人にとって困難な音環境になりがちです。理想的には、正面や部屋の中心付近など、音響が最も明瞭で、話者の顔がよく見える席に座ることをお勧めします。現在は、聞こえと理解を助ける技術を使った機器が備えられている公共の場もあるため、補聴器内の T コイルと接続できる機器がないか尋ねてみることもできます。
話の全体的な流れに集中する
テレビ番組やラジオを楽しんでいるときに、それぞれの言葉を理解するのが難しい場合もあります。話の全体的な流れに集中するように努力し、テレビコネクターやロジャーマイクロホンのような、補聴器の性能を向上させる追加の聞こえ機器を使用することを検討してください。
ハンズフリーで電話に出る
ハンズフリー通話を可能にし、iOS®、Android™、またはその他の Bluetooth® 対応機器から音声コンテンツを直接ストリーミングするフォナック ルミティ補聴器やフォナック パラダイス補聴器を装用するなど、電話での体験を向上させる方法はたくさんあります。電話が部屋の離れた場所にある場合でもボタン1つで電話に出たり電話を拒否したりでき、電話の通知を補聴器に送ることもできて便利です。
聞こえの訓練をするための練習
補聴器にうまく順応するのに役立つ効果的な練習方法がいくつかあります。開始する際、まずは1日に数時間だけ補聴器を装用し、数週間後には起きている間ずっと装用したままになることを目標に、徐々に練習時間を長くしていきます。以下の練習は聞こえの訓練に役立ちますが、正しい順序で行うことが非常に重要です。
練習1:聞く
大きな声で音読して、自分自身の声に慣れ、自分の息遣いを聞くことから開始します。紙をパラパラさせる、照明のスイッチをオン/オフする、鍵をチャラチャラさせるなどして、小さな音を立てます。周囲の環境から聞こえてきた音をすべて書き留め、詳しく説明します。
練習2:会話を追う
知り合いと短くハンズフリー通話をしたり、友人や親せきと周囲が穏やかで静かな場所でお喋りします。じっくり時間を取って、自分のペースで進めましょう。
練習3:大きい音に適応する
最初の2つの練習で自信がついてきたら、大きい音のある環境で会話してみます。背景音としてテレビをつけたり、通りに面したテラス席で友達とお喋りしてみたりしましょう。
練習4:聞こえを集中させる
補聴器の助けを借りて聞こえやすくなったら、次は聞こえに集中し、十分注意を払います。重要な音に集中し、邪魔な雑音は排除しましょう。補聴器に順応していく際にことばの理解をさらに向上させるには、聴覚スキルの訓練も役立つ場合があります。
乳児および幼児の支援
聞こえと言語の発達には強力な関係があることは、よく知られています。そのため、お子さまが起きているときは常に補聴器を装用し、発達を支援することが非常に大切になります。
装用するように励ます
赤ちゃんが成長するにつれ、補聴器の装用が重要になっていきます。最初、赤ちゃんは驚いたように見え、嫌がったり、補聴器を外そうとしたりします。実際には、赤ちゃんは周囲の音を聞きたいため、補聴器が外れると泣き出すこともあります。
記録を取る
補聴器の装用時間をカレンダーに記録している人もいます。赤ちゃんが新しい音に反応したことや赤ちゃんが発した音についてのメモも加えると、より完全な全体像が掴め、進捗を追跡することができます。
日課にする
補聴器の装用を日課にしてお子さまが快適に過ごせるよう支援することから開始します。朝に開始してから就寝まで継続して、お子さまが常に音を聞けるようにします。日課にすることは、お子さまがあなたの声を聞き分けられるようになるための鍵でもあります。これが、親子の双方にとってよりよい関係を築くのに役立ちます。
設定を確認する
お子さまに補聴器を外す癖が付いたときには、粘り強く対処しましょう。お子さまが常に補聴器を装用していたのに突然外し始めた場合は、補聴器が塞がれていないか、きちんと機能しているか確認し、聴覚専門家に診てもらってください。
権限を与える
お子さまは、成長するにつれて、スカイマーベル補聴器などの色付きのイヤモールドや補聴器で自己表現をしたくなる場合があります。幅広い色とパターンが取り揃えてあるため自分だけのデザインを選ぶことができ、お子さまは主体性を持つことができ、自己肯定感が上がることにもつながります。
補聴器のある生活
よくあるご質問
片方の耳にしか難聴がないようなら、その耳に補聴器を装用すれば十分です。一方、両方の耳に難聴がある場合は、補聴器を2つ装用することをお勧めします。これにより、音の場所を特定する能力が向上し、特に騒がしい場所で、ことばの理解が改善することを期待できます。
聞こえ自体は悪化しませんが、特定の音が聞こえない状態に脳が慣れていくため、脳の音を処理する能力が低下する可能性があります。補聴器の装用を早く開始すれば早く開始するほど、脳がより短期間で補聴器の音に慣れる可能性が高くなります。
補聴器を初めて装用し始めたときには、周囲の音がいつもと違う、不自然な音に聞こえる場合があります。自分の声が特に大きく聞こえたり、エコーがかかって聞こえたりする人もいます。一方、耳が塞がっているように感じる人もいます。これらはごく一般的なことで、その多くは補聴器に慣れるにつれてなくなったり軽減されたりしていきます。いつまでも続く場合は、聴覚専門家に補聴器や何らかの設定に変更を加えてもらうことでこれらの副作用が軽減する可能性があります。
脚注
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